『今、いのちとこころと遺伝子が危ない・・・』この言葉は宮脇昭先生【横浜国立名誉教授】の言葉であります。四十余年の植樹調査により裏打ちされた『こころのふるさととしてのいのちの森づくり』の原型は『鎮守の森』です。
寿命1000年に及ぶ、シイ・カシ・タブの日本の樹木“三役”を基本に据えた“千年の森づくり”それは世界に共通する地球の生態系の原則を捉えた森づくりです。
北海道から世界に発信をする『”北海道”千年の森づくりプロジェクト』は地球課題を視野において“どんぐりの苗”“本物の森”を私たちの北海道から都市砂漠が広がる世界各地へ植樹していこうとするプロジェクトです。
その土地が持つ本来の自然林に近い種の組合せを維持することで森は地震・台風・大火・津波などの災害にも強く、人間の生命を守る防災・水源涵養林の機能を備えます。又、風を防ぎ、騒音を吸収し、温度を調整し、吸塵などの多彩な環境保全に役立ちます。
この“本物の森”を創る事を私たちの新しい時代の真の目的として『心のふるさととしてのいのちの森づくり』を進めてまいります。
森づくりは私たちの足元からはじまります。明日では遅すぎる。今このときから、未来に向かって、世界にむかって、共に木を植えていこうではありませんか。
『1950年代』
宇宙時代が幕開け
地球と向き合った
18世紀以来の急速な産業革命の副産物である大気汚染は、各国で深刻な問題になっていた。1952年12月、ロンドンで歴史上最悪のスモッグが発生し、1カ月足らずで4000人以上が死亡する大事件となった。家庭のストーブ、工場や発電所などで石炭を燃やすときに発生する二酸化硫黄や煤塵(ばいじん)などが原因だった。
一方、日本では水俣病やイタイイタイ病など、産業活動による公害が次々とニュースになった。このころには、まだ、「環境問題」という言葉は存在しなかった。
『2000年代』
多発する自然災害
国内外で自然災害のニュースが絶えない。
05年9月、ハリケーン「カトリーナ」がアメリカ南部ルイジアナ州を直撃し、ニューオーリンズ市が水没。貧困層を中心に1400人以上の死者が出た。これらの自然災害は私たち人間が地球の気候システムのゆらぎや地震を前に、いかに非力かということを痛感させられる出来事だった。一方で、欧州発の「カーフリーデー」や日本発の「キャンドルナイト」など、市民のアイデアによって始まった活動が世界各地で数百万人の参加者を集めるなど、未来に向け行動する人も着実に増えてきている。
『2010年代』
地球の気温が1度上昇すると…
珊瑚礁が白化する
「地球シミュレータ」を使った未来の温暖化予測によると、2010年には地球の気温は1900年と比べて1.4度高くなる。地球の気温が1度上昇すると、何が起きるか。たとえば、世界各地の珊瑚礁(さんごしょう)が白化現象を起こすと言われている。珊瑚は温度に対して敏感な生物で、一定の範囲の水温でしか生きることができない。水温が大きく変化すると、共生している藻を追い出してしまうため、珊瑚は色を失って白くなる。これが白化現象だ。白化した状態が長引くと珊瑚は死滅してしまう。地球の平均気温が1度上昇すると、世界各地の珊瑚礁がこの白化現象を起こすと言われている。ちなみに1980年以降、珊瑚礁の白化現象は年々増加している。
『2050年代』
気温が3度上昇すると・・・
生態系に大きな影響
気候が変わると気候帯も異動する。樹木や草などが種子を飛ばして生息する場所を拡げる速さは、1年で1キロ程度といわれている。植物には生存に適した気候帯がそれぞれにあるため、気候帯の移動にあわせて、植物も移動しなくてはならない。しかし、急激な気候変動によって気候帯の移動スピードが速くなると、多くの植物が追いつくことができず、行き場を失ってしまう。その結果、植物に依存して生きている動物や昆虫など他の生物も大きな影響を受ける。変化に適応できない場合は絶滅する可能性もある。適応が可能な昇温速度は10年間で0.05℃が限界といわれている。